| 研究活動 |
| −主要研究項目− |
| 1. 高誘電率ゲート絶縁膜(High-k膜)の材料科学 |
| 2. Ge-CMOSをめざした界面場制御 |
| 3. Si-CMOSデバイス物理 |
| 4. 高性能Graphene FET,Pentacene FET |
1.高誘電率ゲート絶縁膜(High-k膜)の材料科学
半導体素子の超微細化のためには,絶縁膜容量を増大(=絶縁膜の薄膜化)させつつリーク電流を増大させないゲート絶縁膜が要求されます。当研究室では,従来のSiO 2を高誘電率絶縁膜(High-k膜)で代替することによって『SiO 2換算で1nm以下相当』まで薄膜化されたゲート絶縁膜を実現することを目標として,新しい絶縁膜材料の開発を進めています 。
(1) HfO2の多元化による高性能化
有望なHigh-k材料であるHfO 2にYやSiを添加することで誘電率を大幅に向上させることに成功しました。多元化とその組成制御がHigh-k材料の相を制御するキーであると考え,高誘電率化,結晶化温度の向上へ向けた材料設計を試みています。
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高誘電率ゲート絶縁膜に用いる複合酸化物の
高真空多元同時スパッタリングによる成膜
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超高真空(~10-8 Pa)チャンバーを用いた極薄絶縁膜の成膜。
電子線加熱によって原料を加熱・蒸発させることで成膜を行う。
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Yの添加によるHfO2の高誘電率化。
Yの添加によりmonoclinic相からcubic相へと相変化を起こすことで
HfO2の誘電率は急上昇する。
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(2) 高誘電率絶縁膜の高精度な物理解析
高誘電率絶縁膜の開発には,ナノメートルスケールでの多層膜の積層構造の解析や物性測定が不可欠です。当研究室では,赤外分光測定・分光エリプソメトリー測定・X線反射率測定などの光学測定を駆使し,極薄膜の物理解析の高精度化を試みています。
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分光エリプソメトリー測定による
極薄膜の積層構造の精密評価
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X線反射率測定+分光エリプソメトリー測定の組合せにより評価したHfO2/Si界面に成長するSiO2膜厚 (赤線)
と同条件で
のSi表面酸化膜厚(青線)の比較。
表面酸化の場合に比べ,界面酸化速度の面方位依存性が殆ど見られないことは両酸化反応の反応機構が異なることを示す。
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HfO2/Y2O3/SiO2/Siスタック構造の高精度評価(GIXR)
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2 Ge-CMOSをめざした界面場制御
Geは,Siよりも優れた電子物性を持つ半導体ですが,Ge酸化物が化学的・熱力学的に不安定性であるためにデバイス材料としては注目されてきませんでした。当研究室では,High-k膜(高誘電率ゲート絶縁膜)とGeの組合せであれば高性能微細FETが可能になると考え,その実現のために必要な基礎技術の確立と,実デバイスの作製を試みています。
これまでにHfO2/Ge MISキャパシタを形成し,Ge基板上に界面反応層をつくることなく成膜できること,また良好な電気特性が得られることを実証しています。
しかしその一方でGeに高温での熱処理を適用するのは困難であり、特に、酸素を含む雰囲気中ではGe表面での激しい反応が確認されています。
このようにSiとは大きく異なるGe特有の現象を把握した上で適切なプロセス条件を模索しています。
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HfO2/Ge,HfO2/Si MISキャパシタのCV特性。
同条件で作成しているにも関わらずGe基板上の方が
薄膜化(飽和容量大)されている。
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3 Si-CMOSデバイス物理
機械的応力や基板面方位の変更による基板Siの電子物性変化がMOSFETのキャリア移動度に及ぼす影響を定量的に検討しています。これにより、次世代高移動度デバイスの設計に不可欠な応力・面方位の選択指針を示すことを目指しています。
このほか,極薄SiO2膜や高誘電率絶縁膜を用いたMOSFETにおける新しい散乱機構の解析手法や,絶縁膜を流れるトンネル電流のノイズに着目した新しい絶縁膜評価技術にも取り組んでいます。
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ウェハーに機械的応力を与えて電気特性を測定する
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Si (100) nMOSFETのID-VG特性の機械的応力による変化
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4.高性能Graphene FET,Pentacene FET
最近グラファイトをスコッチテープにて何度も剥離することによりグラフェンFETを作成し,10000cm2/Vsを超える移動度を報告して以来,世界中で研究が進んでいます。カーボンナノチューブと異なり既存のCMOSプロセスフローに適応が容易な2次元形状ゆえ次世代FETとして期待されています。昨年から本研究室でも超薄膜グラファイトの研究を開始しました.グラフェンFETを作製して、膜厚変化に伴う電気特性の変化を追っています。
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有機半導体はその柔軟性を生かしてフレキシブルディスプレイ等への応用が期待できます。当研究室ではこれまでにp型の低分子系有機半導体であるペンタセンを用いて薄膜トランジスタ(TFT)を作製し,その動作を実証しています。
その一方で,有機半導体の“半導体”としての基礎的な特性はよく理解されていません。そこで我々はペンタセンTFTを用いてそのキャリア伝導機構の解明を試みています。大気中の水分の影響を完全に排除してペンタセンの電気特性を調べるために,超高真空中で成膜,TFTの形成,特性評価を全てin-situで行い,さらに酸素等の雰囲気による電気特性への影響についても検討しています。このほか,TFTのナノスケールへの微細化、n型有機半導体の材料探索も進めています。
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超高真空中in-situにて製膜、TFT形成、電気測定を行う
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ペンタセンFETのId-Vd特性。
ゲートに負の電圧を加えるにつれて、ドレイン電流が増加。pチャネルFETとして動作している。
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チャネル長を60nmまで微細化したペンタセンTFT |